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特集 精神医療体系のなかでの精神病院の位置づけ
精神病院の機能とその限界
第63回日本精神神経学会総会シンポジウム
精神医療体系のありかたとその問題点
Several Problems on Psychiatric Organlzation
岡田 靖雄
1
Y. Okada
1
1松沢病院
1Matsuzawa Hospital
pp.526-529
発行日 1966年7月15日
Published Date 1966/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405201027
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I.はじめに
昨年精神衛生法の一部が改正されましたが,その内容は私たちが望んでいた全面改正からはかなり遠いものであり,当然より全面的な改正のために私たち精神医療関係者が努力をかさねていくことが要求されます。こういうときにおいて精神医療体系のありかたについて考察し,そのあるべき姿をみさだあることは,つぎの改正のための準備としても重要でありましよう。
さて,現在の精神医療は従来の入院医療一本主義から多面的なものに転換しつつあります。しかも転換期であるだけに,将来のあるべき方向に積極的に近づこうとするには,かなりの困難・制度的矛盾が伴つています。通院医療の問題をみても,その比重はいちじるしく増してきており,精神衛生法の一部改正によつて通院医療費公費負担の制度も設けられています。だが,私自身の経験から考えてみても,自分が退院させた大勢の患者さんをよくみていこうとすると時間がなくなつてしまいます。まだまだ手ばなしにはできないがこのごろ外来へこなくなつた人のことも,気にはかかつても忙しさのなかに消えてしまいます。それでいて,外来というのは収入の面ではわりにあわない。精神科外来機能の充実が今後の重要な方向であることはわかつていながら,多くの精神病院が外来にはそれほど力をいれていないのが現状です。
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