紹介
—Heinz Häfner—Psychopathen—Daseinsanalytische Untersuchungen zur Struktur und Verlaufsgestalt von Psychopathen
島崎 敏樹
1
,
小田 晋
1
1東京医科歯科大学神経精神医学教室
pp.173-177
発行日 1963年2月15日
Published Date 1963/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200536
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Kisker, K. P. やTellenbach, H. らとならんでハイデルベルク学派の精鋭であるHäfner, H. は,現存在分析の立場から精神病質者の研究に取り組んでいたようで,その一部はすでにConfinia psychiatricaなどにも発表されていたが,本書は,その一応の概括であつて,序文でBinswanger, L. ものべているように,「現象学的=現存在分析的精神医学のまだ浅い歴史のなかで,非精神病の領域に対するはじめての体系的な研究として新分野を拓いたもの」である。
Binswangerが序文を書いていることからも察せられるように,著者の立場は,Heidegger, M. の現存在分析論の立場によつてささえられているが,それは,病者の幼時から成年にいたるそれぞれの生活世界の現象学的解釈を行ない,今日までの現象学的経過像を描き出すかぎりで,後期Husserl, E. の意味での現象学的な性質もつよくもつている。
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