Japanese
English
研究と報告
早期幼年自閉症の2例
Two cases of early infantiie autism
中沢 晶子
1
A. Nakazawa
1
1北海道大学医学部精神医学教室
1Dept. of Psychiatry, Hokkaido University, School of Medicine.
pp.283-287
発行日 1961年4月15日
Published Date 1961/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405200319
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われわれは臨床症状からみて,早期幼年自閉症と思われる2例を経験したので,ここに報告した。
1)基本症状である自閉は,明らかに存在しており,病像の基礎をなしている。
2)知能障害は,現段階では否定しえても,二次的出現の傾向はうかがわれている。
3)言語面でも症状は明らかに存在し,2例で類似したものであるが,行動面,感情面についての症状の出現には相違があり,病像をいろどつているともいえる。
4)早期幼年自閉症の本態が精神分裂病であるかどうかという点については,この報告からは何も言及できない。しかしこのような病像を示す疾患を記述することができることは確かである。
5)機質的な脳損傷の有無は,組織病理学的な検索にまつよりほかないであろう。
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