巻頭言
新設大学医学部精神医学教室の40年
風祭 元
1,2
1帝京大学
2元都立松沢病院
pp.278-279
発行日 2014年4月15日
Published Date 2014/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405102689
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わが国では,1970年代に33校の医学部・医科大学が新設された。私はその一つである帝京大学医学部の初代の精神科主任教授・科長となり,精神医学教室と医学部附属病院精神科の開設に携わった。帝京大学医学部は既存の医療施設がなく,まったくゼロからの出発であったので開設の苦労も多かった。当時新設された医学部・医科大学は,医療技術の発展や医療需要の増加による医師不足に対応して1県1医大の構想の下に作られ,それまで医学部のなかった地方に17校の国立大学と,都市部を中心に16校の私立大学の医学部が新設された。それからおよそ40年が経過した現在,これらの新設大学に在籍し,研修を受けた精神科医たちはどのような状況にあるだろうか。帝京大学の医学部精神科について現況を検討してみた。
戦前の1935年(昭和10年)頃には,わが国の医師養成施設としては帝国大学医学部が9校(台湾,朝鮮半島を含む),国公立の単科医科大学が7校,それに私立大学の医学部と医学専門学校とが10校の合計26校あり,卒業すれば医師免許を得ることができた。その後日中戦争と太平洋戦争の期間に,主に軍医不足に対応するために,帝国大学医学部や一部の医科大学に附属医学専門部が新たに設けられ,多くの医学専門学校が新設された。
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