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連載 東日本大震災・福島第一原発事故と精神科医の役割・1【新連載】
連載開始にあたって
An Introduction
丹羽 真一
1
Shin-Ichi NIWA
1
1福島県立医科大学会津医療センター準備室
1Aizu Medical Center, Fukushima Medical University, Fukushima, Japan
pp.89-91
発行日 2013年1月15日
Published Date 2013/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405102367
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はじめに
2011年3月11日の東日本大震災と大津波,および3月12日から起きた福島第一原発事故から,いま2回目の春を迎えようとしている。津波被害の大きな地域が復興のために新たな土地へ移住するかの選択,放射能に汚染された土や瓦礫の中間貯蔵施設の確保,避難先から帰還するかの判断など,被災した人々は深刻な悩みの中で復興2年目を迎えている。この2年間,全国の精神科医は,ある時は一人の一般人として,そして専門家として被災地の支援にさまざまな形で関わってきている。被災地の人間の一人として寄せられた支援に私は心から感謝を申し上げたい。同時に,被災地の人々が抱える悩みは十年あるいは数十年と続くものと思われるだけに,引き続きご支援をお寄せいただけるようお願いしたい。
東日本大震災と福島第一原発事故は歴史上かつてない災害となっただけに,そこからの復興に精神科医がいかに関わっていたか,関わっていけたかを記録することは重要である。その記録が同時代の精神科医が互いに励まし学びあうことを促進することになれば素晴らしいし,また検証できるものとして後の世代へと引き継ぐものとなれば学術的価値のあるものとなるであろう。そのような目的で,大震災からの復興に向けて精神科医がどれだけ関わって行けているかの実践活動を継続的に報告するものとして本連載「東日本大震災・福島第一原発事故と精神科医の役割」を開始したい。
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