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短報
薬剤性パーキンソニズムに対して抗パーキンソン病薬とtandospironeの併用が奏効した統合失調症の1例
Efficacy of the Combination Therapy of Antiparkinsonian Drug and Tandospirone for Antipsychotic-induced Parkinsonism with a Schizophrenic Patient
根本 清貴
1,2
,
池田 八郎
2
,
朝田 隆
1
Kiyotaka NEMOTO
1,2
,
Hachiro IKEDA
2
,
Takashi ASADA
1
1筑波大学臨床医学系精神医学
2医療法人社団八峰会池田病院精神科
1Department of Psychiatry, Institute of Clinical Medicine, University of Tsukuba, Tsukuba, Japan
2Department of Psychiatry, Ikeda Hospital, Happoukai Medical Coorporation
キーワード:
Schizophrenia
,
Antipsychotic-induced Parkinsonism
,
Tandospirone
Keyword:
Schizophrenia
,
Antipsychotic-induced Parkinsonism
,
Tandospirone
pp.1217-1220
発行日 2009年12月15日
Published Date 2009/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101542
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はじめに
薬剤性パーキンソニズムは,非定型抗精神病薬の普及によってその頻度は減少したものの,抗精神病薬を内服している統合失調症患者にとって負担となる症状である。これまでの研究において,薬剤性パーキンソニズムがある患者はそれがない患者よりも内服を自己中断することが高いことが知られている8)。
今回,我々は,薬剤性パーキンソニズムを呈する統合失調症患者に対して抗コリン薬に加えて5-HT1Aagonistであるtandospironeを併用したところ,パーキンソン症状が軽快した1例を経験した。Tandospironeによる抗パーキンソン作用は,あまり注目されていないことに加え,薬剤性パーキンソニズムに対してtandospironeが奏効した報告は今までにないことから,ここに若干の考察を加え報告する。
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