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Seishin Igaku Volume 49, Issue 10 （October 2007）

精神医学 49巻10号（2007年10月発行）

Japanese English

短報

Aripiprazoleへの処方変更により遅発性ジスキネジアが改善した統合失調症の1症例 A Case of Schizophrenia with Tardive Dyskinesia Improved by Switching to Aripiprazole 櫛野宣久 ^1,2 , 安藤英祐 ¹ , 細野玄哉 ^1,2 , 松本英夫 ¹ , 玉井康之 ¹ Nobuhisa KUSHINO ^1,2 , Hidehiro ANDOH ¹ , Genya HOSONO ^1,2 , Hideo MATSUMOTO ¹ , Yasuyuki TAMAI ¹ ¹東海大学医学部専門診療学系精神科学 ²正史会大和病院 ¹Department of Psychiatry and Behavioral Science, Course of Specialized Clinical Science, Tokai University School of Medicine, Isehara, Japan ²Yamato Hospital キーワード： Aripiprazole , Tardive dyskinesia , Atypical antipsychotic agents , Up-regulation , Schizophrenia Keyword: Aripiprazole , Tardive dyskinesia , Atypical antipsychotic agents , Up-regulation , Schizophrenia pp.1033-1036

発行日 2007年10月15日 Published Date 2007/10/15

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405101083

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はじめに

　錐体外路症状(extrapyramidal symptoms，以下EPS)は抗精神病薬内服による副作用である。遅発性ジスキネジア(tardive dyskinesia，以下TD)は抗精神病薬の数年以上にわたる長期投与によって出現するEPSの一つで，定型抗精神病薬と比較して非定型抗精神病薬ではより少ないとされている。またTDは難治性のEPSとしても知られ，治療法も確立されておらず，その出現は精神疾患の治療のみならず社会復帰や患者のQOLにも影響する。

　今回我々は非定型抗精神病薬による治療中にTDが出現しaripiprazole(以下APZ)へ処方変更することによってTDが改善した症例を経験したので報告する。TDについてはAbnormal Involuntary Movement Scale⁴⁾(以下AIMS)を用いて評価した。なお報告にあたって，口頭にて本人および家族の同意を得た。また科学的考察のために支障のない範囲でプライバシーに配慮し，症例の内容を改変した。