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Seishin Igaku Volume 49, Issue 4 （April 2007）

精神医学 49巻4号（2007年4月発行）

Japanese English

研究と報告

未治療統合失調症におけるペロスピロンの作用―P300を指標にしての2年間の経過 Effects of Perospirone on P300 with Schizophrenia：2 years follow up after medication 松岡稔昌 ¹ , 森田喜一郎 ² , 西浦佐知子 ¹ , 森圭一郎 ¹ , 倉掛交次 ² , 平井聡 ² , 小路純央 ^1,2 , 土井亮 ³ , 前田久雄 ¹ Toshimasa MATSUOKA ¹ , Kiichiro MORITA ² , Sachiko NISHIURA ¹ , Keiichiro MORI ¹ , Kouji KURAKAKE ² , Satoshi HIRAI ² , Yoshihisa SHOJI ^1,2 , Ryou DOI ³ , Hisao MAEDA ¹ ¹久留米大学医学部神経精神科学教室 ²久留米大学高次脳疾患研究所 ³久留米大学医学部脳神経外科学教室 ¹Department of Neuropsychiatry, Kurume University School of Medicine, Kurume, Japan ²Cognitive and Molecular Research Institute of Brain Diseases, Kurume University ³Department of Neurosurgery, Kurume University School of Medicine キーワード： Perospirone , Schizophrenia , P300 , Facial stimuli , Negative syndrome scale Keyword: Perospirone , Schizophrenia , P300 , Facial stimuli , Negative syndrome scale pp.355-360

発行日 2007年4月15日 Published Date 2007/4/15

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100959

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参考文献 Reference

抄録

　事象関連電位のP300成分を生理学的指標として未治療統合失調症者(9名)を対象に，ペロスピロンの作用を検討した。「泣き」または「笑い」を目的刺激として初診時(未治療時)3か月後，6か月後，1年後，2年後に視覚誘発事象関連電位を測定した。P300振幅は，「泣き」条件では，3か月後に有意に増大し2年後も持続した。しかし，「笑い」条件では有意差はなかった。未治療期では表情間の有意差はなかったが，服薬3か月後より有意差(泣き＞笑い)が観察された。P300・P200振幅と陰性症状尺度に有意な相関が観察された。以上より，統合失調症者でペロスピロン服用によりP300が反映する認知機能を改善することが示唆された。