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Seishin Igaku Volume 47, Issue 7 （July 2005）

精神医学 47巻7号（2005年7月発行）

Japanese English

短報

成人期発症のde la Tourette's syndromeに塩酸Perospironeが奏功した1例 A Case of Adult Onset de la Tourette's Syndrome, responded to Perospirone 辻井農亜 ^1,2 , 楠部剛史 ^1,2 , 岡田章 ^1,2 , 柴育太郎 ^1,2 , 人見一彦 ¹ Noa TSUJII ^1,2 , Takeshi KUSUBE ^1,2 , Akira OKADA ^1,2 , Ikutaro SHIBA ^1,2 , Kazuhiko HITOMI ¹ ¹近畿大学医学部精神神経科学教室 ²近畿大学医学部奈良病院神経科 ¹Department of Neuro-psychiatry, Kinki University School of Medicine, Osakasayama, Japan ²Department of Neuro-psychiatry, Nara Hospital Kinki University School of Medicine キーワード： Perospirone , Adult-onset , Tic , Tourette's syndrome Keyword: Perospirone , Adult-onset , Tic , Tourette's syndrome pp.753-755

発行日 2005年7月15日 Published Date 2005/7/15

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100844

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はじめに

　多彩な運動性チックおよび1つ以上の音声チックが1年以上の期間中，間欠的にみられるものはTourette症候群(以下TS)と診断される。大部分の症例では成人期になると症状は軽快，消失するとされるが少数例では成人期まで重症なチックが続き，また成人後に再発してより重篤な症状を呈するという^4,9)。だが，成人期に初発するTSの報告はほとんどみられない^1,3,5,12)。今回我々は，運動性チックと複数の音声チックを呈し，臨床経過から成人期に発症したTSと診断され，薬物療法として塩酸perospironeが奏功した症例を経験したので報告する。