Japanese
English
研究と報告
ドメスティックバイオレンス(DV)易スクリーニング尺度(DVSI)の作成および信頼性・妥当性の検討
Development of the Domestic Violence Screening Inventory (DVSI) and its Reliability & Validity
石井 朝子
1
,
飛鳥井 望
1
,
木村 弓子
2
,
永末 貴子
2
,
黒崎 美智子
3
,
岸本 淳司
4
Tomoko ISHII
1
,
Nozomu ASUKAI
1
,
Yumiko KIMURA
2
,
Takako NAGASUE
2
,
Michiko KUROSAKI
3
,
Junji KISHIMOTO
4
1東京都精神医学総合研究所ストレス障害研究部門
2武蔵野女子大学心理臨床センター
3志津クリニック
4SASインスティテュートジャパン
1Department of Stress Disorders Research, Tokyo Institute of Psychiatry
2Musashino Women's University, Psychological Services Center
3Shizu Clinic
4SAS Institute Japan Ltd.
キーワード:
Domestic violence
,
The Revised Conflict Tactics Scales
,
CTS2
,
Reliability
,
Validity
,
Domestic Violence Screening Inventory
,
DVSI
Keyword:
Domestic violence
,
The Revised Conflict Tactics Scales
,
CTS2
,
Reliability
,
Validity
,
Domestic Violence Screening Inventory
,
DVSI
pp.817-823
発行日 2003年8月15日
Published Date 2003/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100710
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抄録
ドメスティックバイオレンス(DV)被害者への援助場面で広く応用が可能な自記式簡易スクリーニング尺度の開発を目的として,DVスクリーニング尺度(Domestic Violence Screening Inventory:DVSI)を作成し,その妥当性と信頼性を検証した。我々は,すでにDVの評価尺度としてThe Revised Conflict Tactics Scales(改訂葛藤戦術尺度:CTS2)日本語版の信頼性と妥当性を検証したが,DVSIはCTS2より15設問を抽出したものである。DVSIの構成概念妥当性としては,因子分析の結果,身体攻撃と傷害,性的強要,心理的攻撃の3つの因子が確認され,CTS2の下位尺度とおおむね一致した。各下位尺度のCronbachのα係数は,身体的暴行と傷害0.93,性的強要0.89,心理的攻撃0.84であり十分な内部一貫性が認められた。また再検査信頼性については,身体的暴行と傷害0.92,性的強要0.85,心理的攻撃0.88であり,十分な信頼性が示された。DVSIは,DV被害者のスクリーニングを目的として,今後,さまざまな場面で有用な尺度となることが期待される。
なお性的強要の下位尺度項目に対する被験者の抵抗感が,スクリーニング実施の上で支障となることが予想される場合には,同下位尺度項目を省いた11項目版としても使用可能である。
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