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私のカルテから
小鋭棘波様の脳波を認めた高齢期発症のてんかん
Senile Onset Epilepsy Associated with Small Sharp Spikes-like Component
谷口 典男
1
,
真野 恵子
1
,
廣瀬 千治
1
,
滝沢 義唯
1
,
篠崎 和弘
2
Norio TANIGUCHI
1
,
Keiko MANO
1
,
Chiharu HIROSE
1
,
Yoshitada TAKIZAWA
1
,
Kazuhiro SHINOSAKI
2
1国立大阪病院精神・神経科
2大阪大学大学院医学研究科ポストゲノム解析学講座プロセシング異常疾患精神医学分野
1Department of Neuropsychiatry, Oska National Hospital
2Division of Psychiatry and Behavioral Proteomics, Department of Post-Genomics and Diseases, Course of Advanced Medicine, Osaka University Graduate School of Medicine
pp.667-669
発行日 2003年6月15日
Published Date 2003/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100683
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高齢期発症のてんかんは,比較的よくみられる疾患であるが,大半は,脳卒中や外傷の既往を伴っているものが多い。今回の症例は,そのような既往がなく,複雑部分発作にて発症後,約7か月後に大発作を引き起こし,やっと治療に同意され,その後は順調な経過をたどっている症例である。脳波では,小鋭棘波との鑑別が困難であった焦点棘波を右前頭部から前頭側頭部にかけて認めた。
症例呈示
〈症例〉 71歳,男性。
既往歴 特になし。
生活史 特記すべきものなし。
現病歴 1998年10月(71歳時)に,商談中に会話が途中から別の話になって相手が驚いてしまった。相手の人が本人の変容ぶりに驚き,本人の会社に電話をして会社の人に来てもらった。その時は,すっかり元に戻っていたが,何をしゃべっていたかの記憶がない。同年12月にも同じ症状が起こり,当科を受診した。家族歴に特記すべきものなし。またこれまでの生活歴としても,サラリーマンとして勤務し,東京への出張は,月に2回ほど,海外出張は年に3~4回を特に問題なくこなしていた。
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