Japanese
English
研究と報告
難治性慢性精神分裂病に対するハロペリドール大量点滴静注の効果について
On the Effect of the Intravenous Injection (Drop Method) of High Dosage Haloperidol on the Refractory Chronic Schizophrenics
寺山 賢次
1
,
金子 元久
1
,
熊代 永
1
,
寺山 晃一
2
,
清野 義一
2
,
青野 哲彦
2
Kenji Terayama
1
,
Motohisa Kaneko
1
,
Hisashi Kumashiro
1
,
Koichi Terayama
2
,
Giichi Seino
2
,
Tetsuhiko Aono
2
1福島県立医科大学神経精神科
2一陽会病院
1Department of Neuropsychlatry, Fukushima Medical College
2Ichiyookai Hospital
キーワード:
Chronic schizophrenia
,
Negative symptoms
,
Haloperidol
Keyword:
Chronic schizophrenia
,
Negative symptoms
,
Haloperidol
pp.71-77
発行日 1985年1月15日
Published Date 1985/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203883
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抄録 一陽会病院に入院中の難治性慢性精神分裂病者20例に対して1日40mgのhaloperidolの点滴静注を10日間行った。その結果は,著効1例,有効8例,微効5例,不変5例,副作用による投与中断例1例などであり,有効率は45%であった。症状別効果では,「幻覚」,「妄想」だけでなく「運動減退」,「非協調性」,「情動鈍麻」,などの陰性症状の改善も認められた。
副作用は,錐体外路症状として2例に眼球反転現象,1例に口唇ジスキネジアと手指振戦が認められたが,抗パ剤投与により消失した。自律神経症状として2例に胸内苦悶と心悸亢進が認められ,そのうちの1例は訴えが強くHALの投与を中断した。その他に精神症状として3例に不安感,2例に焦燥感,5例に眠気が認められたが,いずれも軽度であった。このように副作用については経口投与と比較し特に差異はなく,本療法は難治性の慢性精神分裂病に対して試みてみるべき治療法のひとつであるように思われた。
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