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特集 臨床心理技術者の国家資格化についての主張
臨床心理技術者の国家資格化について―厚生労働科学研究班の分担研究者として
National Qualification of a Clinical Psychologist: From the standpoint of the chief researcher of the public welfare science research group
鈴木 二郎
1
Jiro SUZUKI
1
1国際医療福祉大学臨床医学研究センター・医療福祉学部、山王メディカルプラザ・精神神経科
1Organised Center of Clinical Medicine, Department of Health and Social Service, Internaional University of Health and Welfare, Department of Psychiatry, Snnou Medical Plaza
キーワード:
Psychotherapy
,
Medical work
,
Psychological work
,
Instruction
,
Guidance
Keyword:
Psychotherapy
,
Medical work
,
Psychological work
,
Instruction
,
Guidance
pp.29-34
発行日 2004年1月15日
Published Date 2004/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100410
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この問題にかかわった事情
現代は心の時代といわれ,心の悩みの専門家として,精神科医や臨床心理家へのニーズは強い。精神科医は,厳しい国家試験を経て医師になり,遅ればせながら発足しようとしている専門医としてその能力を高めようとしている。これに対し臨床心理家には国家資格がなく,いわゆる民間の名称として臨床心理士,認定心理士,発達臨床心理士,認定カウンセラー,産業カウンセラー,学校カウンセラーなど,さまざまなものがある。
かねてから私は,臨床心理家の仕事や能力,仕事の対価としての報酬に関して,ある程度の関心は持っていた。それは精神科臨床に携わる上で,常に心理臨床家の力を必要とし,協力を求めてきたからである。おそらく精神科医の中でもっとも心理の仕事などを理解している一人であると自負し,周囲の心理家たちも現在でもそのように認めてくれている。それに関連して1999年の日本臨床心理士協会10周年記念会での私の祝辞2)や,雑誌「臨床心理学」の創刊3)などに私が大きく期待を寄せていることを述べた。しかし実際にこの問題にかかわり始めたのは,2000年2月に厚生省(当時)精神保健福祉課からの依頼で,1999年度の班研究を組織してからである。
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