Japanese
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研究と報告
妄想が海外旅行の決定因子となった2症例―海外における邦人精神科救急と邦人保護の問題点
Two Japanese Patients whose Delusion became a Decisive Factor to Travel Abroad:Issues on psychiatric emergency for the Japanese on aboard and proposals for the improvement for the care for the mental ill Japanese
斉藤 卓弥
1,2
,
勝田 有子
3
,
西松 能子
4
Takuya SAITO
1,2
,
Yuko KATSUTA
3
,
Yoshiko NISHIMATSU
4
1アルバート・アインシュタイン医科大学精神科教室
2日本医科大学精神医学教室
4立正大学心理学部
1Albert Einstein College of Medicine Department of Psychiatry
2Department of Neuropsychiatry, Nippon Medical School
3The National Psychological Association for Psychoanalysis
4Rissho University Department of Psychology
キーワード:
Japanese
,
Travel abroad
,
Delusion
,
Psychiatric hospitalization
Keyword:
Japanese
,
Travel abroad
,
Delusion
,
Psychiatric hospitalization
pp.475-481
発行日 2005年5月15日
Published Date 2005/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100062
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抄録
海外に居住する邦人ならびに邦人旅行者の数は増加を続けている。海外に滞在する邦人が増加するにつれて,様々な精神的な問題を抱えた邦人が海外で精神科医療の対象となる機会も増えている。アメリカ,特にニューヨークは邦人居住者,旅行者の数が最も多く,邦人が現地の精神科救急医療ならびに入院治療を受ける機会もしばしば認められる。
今回,我々は妄想に基づき繰り返し渡米し,問題行動のために入院治療が必要となった2症例を経験した。家族が渡米を阻止しようとしたが,適切な対応が不可能であった。また1症例では,退院後家族に伴われ帰国したものの翌日には再渡米した。本論文では症例を呈示するとともに海外での精神科救急システムの中での邦人援助の実態と,今後の対応についての提言を行った。
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