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私のカルテから
塩酸ぺロスピロンへのスイッチングによって改善した激越うつ病の1例
A Case of Agitated Depression Improved by Switching to Perospirone
今村 文美
1
,
荒木 一方
2
Tomomi IMAMURA
1
,
Kazunori ARAKI
2
1東京武蔵野病院
2東京逓信病院精神科
1Tokyo Musashino Hospital
2Department of Psychiatry, Tokyo Teishin Hospital
pp.443-445
発行日 2005年4月15日
Published Date 2005/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100056
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はじめに
Perospirone(PER)は,国産初の非定型抗精神病薬であり,serotonin dopamine antagonist(SDA)として位置づけられている。近年,統合失調症の幻覚・妄想状態だけではなく,統合失調症の抑うつ,不安に対してのPERの効果を報告した論文は散見される。しかしながら,うつ病の適応は有しておらずうつ病に対して有効であったという報告はいまだ少ない状況である。今回,我々は,抗うつ薬に加えて種々の抗精神病薬を併用したが,奏効しなかった激越うつ病に対し,併用抗精神病薬をPERに変更することで抑うつ気分,不安・焦燥,身体的愁訴,罪業妄想に改善を認めた1例を経験したため,若干の薬理学的特徴を考察に加えて報告する。
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