Japanese
English
Bedside Teaching
呼吸器疾患における吸入指導と最適なデバイス
The Inhalational Instruction and the Optimum Device in Respiratory Disease
堀口 高彦
1
Takahiko Horiguchi
1
1藤田保健衛生大学医学部呼吸器内科学Ⅱ講座
1Department of Respiratory Medicine Ⅱ, Fujita-Health University School of Medicine
pp.160-167
発行日 2015年2月15日
Published Date 2015/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205640
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
はじめに
呼吸器疾患における吸入薬は,気管支喘息,COPDのfirst line drugとして必要不可欠であり,近年ますますデバイスが増え続けている.喘息予防・管理ガイドライン20121)においても,新たに吸入方法の重要性が明記された.しかし,内服薬と違って吸入薬のデバイスごとに操作方法が異なるため,自己流になったり自己中止することが多々みられる2,3).吸入薬の処方時に十分な吸入指導ができないまま手渡されている現状が否めない.特に高齢者においては誤操作が目立ち4),ハンディキャップを有する患者においても操作が困難である.吸入が正しく行われていないために効果が十分に発揮されず難治性と診断され治療のstepが上がることも報告されている5).特に超高齢化社会を迎えている本邦において高齢者の診療はますます重要な位置を占める.高齢者の診療には,視力,聴力,記憶力,筋力の低下などを考慮して対応する必要があるが,自宅での吸入操作まで確認しないため,医療スタッフに気付かれないところに様々な問題点が存在する.その問題点を理解し予測したうえでの吸入指導が望ましい.そこで,外来での誤操作がみられた例を挙げ,その問題点と対策について述べる.また,理想のデバイスについて考える.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.