Japanese
English
Bedside Teaching
最近の特発性気胸
Spontaneous pneumothorax of late
中村 博
1
Hiroshi Nakamura
1
1国立相模原病院内科
1Sagamihara National Hospital
pp.1099-1107
発行日 1977年12月15日
Published Date 1977/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203136
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I.気胸とは
胸膜は肺の表面を蔽う肺胸膜と,胸壁の内面を蔽う壁側胸膜に区分され,肺胸膜は肺門部で折り返して壁側胸膜に移行している。肺胸膜と壁側胸膜の間を胸腔と呼び,正常では少量の液を含んだ狭い部分である。横隔膜の上下で,この2つの胸膜はリズムカルに動いて肺は呼吸をしているわけだが,この胸腔に空気がなんらかの原因で侵入し,呼吸が乱れる状態を気胸という。
気胸の中で,結核のはなやかな頃,人工的に胸腔内に空気を注入し,肺の結核病巣の縮少をはかった人工気胸や,外傷や医原的な穿刺,鍼療法などで発症する気胸もあるが,一般には他の病的な原因で発症する自然気胸が主である。
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