Japanese
English
原著
腎循環に関する2,3の問題—赤血球及び血漿の腎循環時間と腎内ヘマトクリット値の意義
Some Problems on the Renal Circulation:Red cell and plasma transit times through the kidney, and the signiticance of the intrarenal hematocrit.
中村 隆
1
,
伊藤 敬一
1
,
磯野 恒雄
1
,
引地 達男
1
Takashi Nakamura
1
,
Keiichi Ito
1
,
Tsuneo Isono
1
,
Tatsuo Hikichi
1
1東北大学医学部中村内科
1Medical Clinic of Nakamura, Faculty of Medicine, Tohoku University
pp.1133-1138
発行日 1959年12月15日
Published Date 1959/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200844
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I.はじめに
クリアランスの概念が採り入れられて以来腎生理の問題は余りにもこれのみに頼りすぎた嫌がないでもない。勿論クリアランス法は腎生理を研究する上に確かに便利な方法には違いないが,クリアランス法で知り得る事には自ら制限もあれば限界も出て来る筈である。この事は腎生理の一端である腎循環に関しても云い得る事で,現在までの腎循環に関する研究もその多くはクリアランス面から見られた腎の循環態度であつた。
Gibson等(1946)1)が腎内血管に含まれている血液のHt値は腎に流入する血液のHt値の35%しかないという事を指摘して以来,漸くこの方面にも人々の注意が向けられ,現在まで若干の人人2)−5)により腎内血液のHt値が測定されたが,それ等は何れも第1表に見られる通りSystemic bloodのHt値の35%から73%と低値である事が注目されている。
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