Japanese
English
原著
珪肺結核症の呼吸機能の検討
Studies of the Pulmonary function in Silicotuberculosis.
瀨田 孝一
1
,
松谷 裕之
1
Koichi SETA
1
,
Hiroyuki MATSUYA
1
1岩手医科大学外科
1Department of Surgery, Iwate Medical College
pp.518-522
発行日 1955年8月15日
Published Date 1955/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200272
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
珪肺症は結核を合併し易く,一度結核を合併すれば病勢の進展は速かで,而も珪肺症の死因の大部分は合併した結核によると言われている。斯の如く肺珪性変化と結核罹患とは密接不離の関係にあり,早くより各方面から研究されて来たが,未だ尚珪肺結核症には解明されない多くの点があり,其の上従来の観念ではその治療に対する効果は期待し得ないとされていた。近来抗結核剤の進歩に伴い本症に対する該藥剤使用例が報告されているが純肺結核に対する程の効果を挙げる事は望み得ず,只ストマイは急激な結核の進行を抑制し,撒布結核には有効であると一般に言われている。余等は最近珪肺結核症に対し抗結核剤を強力に使用し,心肺機能を検討の上積極的に外科的治療を施行し,略々満足すべき結果を得た症例を経験した。然も之等珪肺結核症の手術療法の成績を左右する因子としてその症期,病型は勿論であるが主に心肺機能が大いに関係するものと思考した。仍て吾々は先ずその呼吸機能を検討すべく,手術例並に増殖性結核を合併した珪肺結核症計17例,対照として第一,第二度珪肺症10例に就いて夫々の呼吸機能を検索し,之等の比較検討を行つた。
Copyright © 1955, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.