Japanese
English
綜説
呼吸器疾患におけるマクロライド系抗菌薬の役割
Macrolide Antibiotic Therapy for Respiratory Diseases
小宮 幸作
1,2
,
門田 淳一
1
Kousaku Komiya
1,2
,
Jun-ichi Kadota
1
1大分大学医学部呼吸器・感染症内科学講座
2天心堂へつぎ病院呼吸器内科臨床研究室
1Department of Respiratory Medicine and Infectious Diseases, Faculty of Medicine, Oita University
2Department of Respiratory Medicine, Tenshindo Hetsugi Hospital
pp.558-567
発行日 2014年6月15日
Published Date 2014/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102497
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はじめに
マクロライド系抗菌薬の免疫調整作用は,1980年代後半に当時致死的な疾患であったびまん性汎細気管支炎(diffuse panbronchiolitis;DPB)に対してエリスロマイシンの少量長期投与が著明な予後の改善をもたらしたことで注目された1).その後,機序の解明のため精力的な基礎的研究がなされ,様々な抗菌活性以外の作用を有していることが明らかとなった2).そして,DPBに限らず多くの呼吸器疾患が,その作用の恩恵に与れることが次々と示されてきた3,4).つまり,臨床の現場で発見された新たな知見が,基礎研究とそれに基づく臨床研究によって現在もなお発展し続けている領域といえる.本稿では,これまでに解明されているマクロライド系抗菌薬の抗菌活性以外の作用について概説するとともに,慢性または急性の呼吸器疾患におけるエビデンスレベルと推奨レベルを検討し提示する.
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