Japanese
English
特集 疾患と運動時低酸素血症
運動時低酸素血症を来す疾患の画像
The Significance of CT Findings in Patients with Exercise Induced Hypoxemia
一門 和哉
1
Kazuya Ichikado
1
1済生会熊本病院呼吸器科
1Division of Respiratory Medicine, Saiseikai Kumamoto Hospital
pp.512-518
発行日 2014年6月15日
Published Date 2014/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102489
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
慢性肺疾患症例では,安静時に正常の動脈血酸素分圧(PaO2)を示しても,運動時低酸素血症を呈する症例がある.当科において過去5年間の入院症例で,6分間歩行試験を施行したCOPD 61症例,間質性肺炎229症例において,運動時低酸素血症(安静時SpO2 95%以上で,SpO2<90%を基準とした)を呈した症例は,COPDで24%,間質性肺炎では38%であった.各疾患の重症度の違いはあるものの,比較的高率に運動時低酸素血症を認めており,これらの疾患群において,安静時の酸素化能のみの評価では不十分であることがわかる.運動時低酸素の原因として,肺胞低換気,換気血流不均等分布の増大,膜拡散抵抗の増大,毛細血管血流量の低下,混合静脈血の低下や心循環系の予備能の低下などが指摘されている1,2).運動時低酸素血症の評価の臨床的重要性は,COPDであっても,間質性肺炎であっても,運動時低酸素血症の有無が予後の違いを反映することにある3,4).本稿のテーマは,運動時低酸素血症を来す疾患の画像であり,運動時低酸素血症を来す代表的疾患である間質性肺炎,特に特発性肺線維症とCOPDの画像所見の特徴を解説する.
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.