Japanese
English
今月の主題 回盲部・虫垂病変の診断
序説
回盲部・虫垂病変の診断—病理医の視点から
Introduction
二村 聡
1
Satoshi Nimura
1
1福岡大学筑紫病院病理部・病理診断科
キーワード:
回盲部・虫垂病変
,
診断プロセス
,
判断の根拠
,
肉眼像
,
組織像
Keyword:
回盲部・虫垂病変
,
診断プロセス
,
判断の根拠
,
肉眼像
,
組織像
pp.1737-1739
発行日 2024年12月25日
Published Date 2024/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403203791
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
回盲部・虫垂病変の診断について病理医の視点から率直な意見を述べてみたい.回盲部と虫垂は消化器診療に従事する者には馴染みが深い臓器だが,実にさまざまな種類の疾患が発生する.したがって,鑑別対象も腫瘍から非腫瘍まで多岐にわたる(Fig.1).
また,病勢が進行するにつれて,初発部位の同定が困難となりやすい.例えば,初発部位が虫垂であっても病勢が進行すると,回盲部病変として認識される.特に炎症性疾患は,その時相や治療介入によって肉眼・組織像が種々の程度に変化し,その質的診断は一筋縄ではいかない.しかし,臨床医も病理医もこれまで集積された知見を根拠にして,より確からしい診断を下せるよう努力している.回盲部・虫垂を“別々の臓器”ではなく,“陸続きの臓器(地帯:region)”として認識し,なるべく全体を俯瞰することが画像診断のコツかもしれない.
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.