Japanese
English
今月の主題 小腸画像診断のトピックス
序説
小腸疾患に対する診断的アプローチ
Introduction
岡 志郎
1
Shiro Oka
1
1広島大学大学院医系科学研究科消化器内科学
キーワード:
原因不明の消化管出血
,
小腸疾患
,
カプセル内視鏡
,
バルーン内視鏡
,
パワースパイラル内視鏡
Keyword:
原因不明の消化管出血
,
小腸疾患
,
カプセル内視鏡
,
バルーン内視鏡
,
パワースパイラル内視鏡
pp.1447-1450
発行日 2023年11月25日
Published Date 2023/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403203396
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はじめに
小腸は十二指腸・空腸・回腸から成る6mにも及ぶ長大な臓器である.小腸内視鏡の登場まで小腸は“暗黒の臓器”と称され,上部消化管内視鏡や大腸内視鏡では観察困難な臓器であった.本邦において,2003年11月にダブルバルーン内視鏡,2007年4月にはシングルバルーン内視鏡が発売され,バルーン内視鏡(balloon assisted endoscopy ; BAE)による小腸の観察が可能となった.2007年10月には小腸カプセル内視鏡(capsule endoscopy ; CE)が発売され,低侵襲かつ簡便に小腸が観察可能となっている.近年では,既存のCEやBAEの改良に加え,新型カプセル内視鏡やパワースパイラル内視鏡(power spiral endoscopy ; PSE)といった,これまでとは一線を画した新たな内視鏡も登場している.
なお,2015年12月に日本消化器内視鏡学会より「小腸内視鏡診療ガイドライン」1)が発表されたが,これは臨床現場の実情に即して当時のCEとBAEを中心に作成されたガイドラインであり,その他の検査法との棲み分けに関しては現在も十分なエビデンスがない状況である.
本号では小腸検査における各画像診断法の有用性と限界について理解し,現時点における小腸疾患の診断的アプローチを整理したい.
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