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増大号 「胃と腸」式 読影問題集2023 基本と応用—考える画像診断が身につく
序説
Introduction
松本 主之
1
Takayuki Matsumoto
1
1岩手医科大学医学部内科学講座消化器内科分野
pp.371
発行日 2023年4月25日
Published Date 2023/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403203158
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「胃と腸」の読者の皆さまは,早期胃癌研究会や臨床消化器病研究会に代表される消化管疾患の症例検討会に参加された経験をお持ちであろう.症例検討は病歴,臨床検査成績を参照しながらX線造影所見・内視鏡所見を分析する能力,鑑別診断の想起,最終診断に至る思考過程を鍛える最良の機会である.また,症例検討により得られた知識は,直接患者に福音をもたらすことになる.さらに,良問であれば,各人に読影後の爽快感と知的満足感を提供することができる.そこで今回の「胃と腸」増大号は,症例検討の醍醐味を伝えることを目的として企画された.まずはご自身で設問に対する解答を準備し,理論武装して解説を読み進めていただければ幸いである.
消化管疾患は腫瘍状病変や炎症性病変など多岐にわたり,部位別に好発する疾患も大きく異なっている.したがって,症例検討に際しては部位別の疾患構成の違いを基礎知識として頭に入れておくことが重要である.定型的には,従来はX線造影検査,次いで内視鏡検査を分析し,両検査法を対比しながら想起,鑑別,最終診断と思考を進めていた.読者の皆さまには,このような過程が基本であることをまずは学んでいただきたい.本号で集積された症例は多岐にわたり,症例ごとに執筆者の強い思い入れも込められてはいるものの,疾病によりX線造影検査,通常内視鏡検査の位置付けが異なることが示されている.第一にこのことを学んでいただければと思っている.
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