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増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022
病理
低異型度癌と超高分化腺癌(大腸)
adenocarcinoma with low grade atypia, extremely/very well differentiated adenocarcinoma of the colon
味岡 洋一
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科分子・診断病理学分野
pp.740
発行日 2022年5月24日
Published Date 2022/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202897
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低異型度癌,超高分化腺癌ともに現行の大腸癌取扱い規約(第9版)には記載されていない用語であるが,日常の研究会や論文などでそれらの用語が使われることも少なくない.両者はほぼ同義語として用いられる場合もあるが,厳密にはその組織学的特徴や生物学的態度には違いがある.
低異型度癌は渡辺ら1)により提唱された,乳頭腺癌や高分化管状腺癌の異型度分類で用いられる用語である(Fig.1,2).渡辺ら1)はこれらの癌を高異型度と低異型度とに分類している.前者は従来の病理組織学的診断基準で明らかな癌と判定される病変である.低異型度癌の病理組織学的診断基準の詳細については文献1)を参照されたいが,あえて他の分類との対比をすれば,生検組織診断分類のGroup 4に相当するものの,WHO組織分類ではadenoma with low-grade dysplasiaに含まれうる.低異型度癌には,粘膜下層浸潤能はあるが,高異型度癌に比べ脈管侵襲陽性率やリンパ節転移率は有意に低く2),低悪性度の癌と言える.
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