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編集後記
江﨑 幹宏
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1佐賀大学医学部附属病院光学医療診療部
pp.1177
発行日 2019年7月25日
Published Date 2019/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403201810
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近年,表在型非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍(superficial non-ampullary duodenal epithelial tumor ; SNADET)の診断・治療方針が学会などでも頻繁に取り上げられるようになった.その背景には,SNADETの発見頻度が増加している一方で内視鏡による質的診断が難しいことがある.さらに,内視鏡治療に伴う偶発症のリスクが高いことに加えて,手術が選択された場合は時に膵頭十二指腸切除といった侵襲度の高い術式を余儀なくされるといった治療上の問題もある.また,解剖学的特性から十二指腸には胃型腫瘍と腸型腫瘍が混在するため一律の診断基準で判定できないといった病理サイドの問題も挙げられる.その結果,生検診断における正診率は高くなく,治療方針決定において十分な根拠となり得ない場合も存在する.そのような背景の下,本特集号は,SNADETの画像的特徴ならびに病理診断基準の問題点を整理し,現時点での一定のコンセンサスを得ることを目的として企画された.
序説の矢作論文では,SNADETにおける内視鏡診断・治療における問題点が整理されている.SNADETに関する問題点を把握したうえで,主題へと読み進んでほしい.
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