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海外文献紹介「若年者の結腸・直腸の腺癌」
小林 世美
1
1愛知県がんセンター第1内科
pp.204
発行日 1977年2月25日
Published Date 1977/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113454
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Adenocarcinoma of the Colon and Rectum in Young Adults: F.J. Scarpa, W.H. Hartmann, J.L. awyers (Southern Medical Journal 69: 24-27, 1976)
全大腸癌のわずか6%が41歳以下の患者にみられる.生存率は若年者大腸癌では高年者に比べ一般に低いといわれているが,腫瘍の態度は年齢に関係ないとの報告もある.著者らは20~40歳の47人の大腸癌患者を対象として次のような検討を行った.うち男が21人,女は26人.年齢は30~40歳が32人を占めた.
患者の症状では直腸出血が28例で最も多く,次いで腹痛が12例に認められた.痛みと体重減少が右結腸癌に多い症状であった.症状は高年者のそれと大差はない.症状持続期間は6カ月以内が65%,1年以上が17.5%だった.1カ月未満の場合の5生率は20%であるのに,1年以上では56%と良好で,症状の発現から診断までの期間が短い方がむしろ予後は不良だった.
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