特集 図説 胃と腸用語集2012
画像所見〔食道〕
畳目模様(tatamime sign)
平澤 大
1
1仙台市医療センター仙台オープン病院消化器内科
キーワード:
輪状ひだ(食道)
,
畳の目サイン
Keyword:
輪状ひだ(食道)
,
畳の目サイン
pp.677
発行日 2012年5月24日
Published Date 2012/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113276
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
- サイト内被引用
畳目模様(tatamime sign)1)は食道の内視鏡観察時にみられる細かい輪状のひだを指し,畳の模様に類似した所見である.別名,“輪状ひだ(食道)”や“畳の目サイン”と呼称されるニックネームであり,消化器内視鏡用語集2)にも記載されていない.
畳目模様は食道表在癌の深達度診断に有用な所見として,神津3)により「胃と腸」で報告された.通常観察時にも出現するが,ヨード染色後に出現することが多い(Fig. 1).また,意識的に出現させることは難しく,空気量を調節し,弱伸展で待っていると,出現しやすい.正常粘膜では,均一な細い輪状かつ波様のひだとしてとらえられる.pT1a-EP癌では畳目模様は崩れることはなく(Fig. 2),pT1a-LPMの癌病巣では1/2の症例で模様が崩れ,pT1a-MM以深の癌病巣では途絶すると言われている(Fig. 3, 4)4)~6).つまり,癌病巣内の畳目模様が崩れた,もしくは消失した場合はpT1a-LPMより深い浸潤を示唆する所見である.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.