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海外文献紹介「非A,非B輸血後肝炎の予防における予防的飾γ-グロブリンの効用」
小林 世美
1
1愛知県がんセンター第1内科
pp.1358
発行日 1977年10月25日
Published Date 1977/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113040
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Efficacy of Prophylactic GammaGlobulin in Preventing Non-A, Non-B Post-Transfusion Hepatitis: R. G. Knodell, M. E. Conrad, A. L. Ginsbers, C. J. Bell(Lancet, March 13, 1976, p557~p561)
この研究は,γ-グロブリン(以下γ-gと略)の予防的投与が,輸血後肝炎の程度と頻度に好影響をもたらすかどうか,そして高力価のHBs抗体γ-gと市販のr-gとの間に,予防効果の優劣があるかどうかを知るために行なわれた.
平均12本の輸血を受けた279人の心臓外科患者を対象とし,高力価HBs抗体γ-g,普通のγ-gおよびプラセボ(アルブミン)のうちの1つが,手術前に無作為に選ばれた患者に筋肉注射された.術後9カ月間の経過観察がなされ,うち47人(全体の17%に相当)に,術後14~180日に著明なSGOTの上昇がみられた.これらの内訳は,プラセボグループの94人中24人,正常グロブリングル一プの93人中12人,高力価グロブリンでは,92人中11入の発症をみた.このうちB型肝炎の感染の証拠のあがった者はわずか3名で,他はCytomegalovirus感染者が3名,A型肝炎あるいはEpstein-Barr virusの感染例は1例も認めなかった.
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