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編集後記
中澤 三郎
pp.236
発行日 1987年2月25日
Published Date 1987/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403112246
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胃癌の深達度診断は予後の推定,手術法の決定などに有用な情報を与えるため本誌でも数回取り上げ,詳細に検討してきた.しかも,最近では内視鏡的治療が積極的に行われるようになり,その適応を定めるうえでも深達度診断の重要性は更に増加してきたと考えている.また,従来のX線・内視鏡診断に加え,新しい検査法として超音波内視鏡が用いられるようになった.胃壁断面の画像が目で見えるので深達度診断の新しい展開がみられるものと大いに期待されるところである.
本号では陥凹型早期胃癌を特に取り上げた.陥凹型癌は癌巣内に潰瘍または潰瘍瘢痕を有するなど,隆起型癌に比べると,その像が多彩なため,確認が困難である.そこで病理組織像,X線検査,内視鏡検査,超音波内視鏡検査を相互に対比させた.今後の診断を行ううえで幾つかの重要な所見が少しでも明確になったかと考えている.
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