--------------------
編集後記
中澤 三郎
pp.458
発行日 1985年4月25日
Published Date 1985/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403109797
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
本号の主題である膵・胆道の形成異常は故相馬智教授が膵のdivisumを取り上げてみようと言われたのが始まりで,それならついでに膵,胆道の発生異常のすべてを入れようということになったのである.最初は時期尚早で読者の皆様には満足していただけるか不安であったが,出来上がってみると予想外に豊富な内容で充実したものとなった.相馬先生の炯眼に今更ながら敬服する次第である.
お読みくださればおわかりのように,形成異常のすべてが書かれているが,そのほかに既成概念を越えた考え方を必要とされる時代がきたことに驚かされる.例えば膵嚢胞性疾患のごとく,先天性か後天性かの検討を含め,発生やら病態やら根本的に考え直しを迫られるなど,新たな研究材料が出現してきた.1つの文化から別の文化への変化は道具の発展によるところが大であるとされるが,医学の分野でも同様でERCP,US,CTなどの開発に伴い新しい展開が起こり,これらの疾患が身近になってきたのである.
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.