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編集後記
芦沢 真六
pp.1171
発行日 1970年8月25日
Published Date 1970/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403111350
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今月号のテーマはある意味では意地の悪いものである.実際に書かれた方たちは従来漠然とした考えはあったとしても,いざ症例を集め整理してみると厳密な意味で高位に入れてよい症例はどれか,更には高位とはどこだというような疑問が出,万人が共通に話し合える胃の特に上部の各部位をあらわす言葉のないことを感じられたことと思う.今後,早期癌分類のような簡明で解りやすい言葉で統一されることが望まれる.
しかしその前に高位をも診断しようと努力することは,結局胃の中をすべて診断しようということ,即ちどこに病変があっても探し出せるぞということに通じるのではあるまいか.高位も,もう特別の場所としてではなく,日常検査の中に必ずそこの病変をも見逃さないような方法を組入れることが大切で,その意味で本号は読者の皆様に必ずお役に立つものと思う.
たまたま本号に掲載されたT. Schopsの論文抄録およびその文献からは,外国における噴門部への関心,現状等が窺え,興味あるところである.
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