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昭和38年といえば,もはや胃カメラは特殊病院の,特殊検査としてではなく,一般開業の先生方にも胃のルーチン検査とし用いられるようになって来た頃であった.兵庫県でも胃カメラに熱心な先生方は母校の教室で,あるいはその当時大阪で開かれていた研究会などに出席し,その技術,読影力の向上に努められていたが,神戸医科大学(現神戸大学医学部)第2内科馬場助教授,神戸中央市民病院木島副院長(現在大阪の北野病院病院長),長田市民病院浜野副院長,国立明石病院外科壇上先生および筆者らが発起人となり,病院勤務の先生を対照とした胃カメラの診断および消化器一般についてのフリーな談話会を作ることを企画し,兵庫県消化器のつどいと命名した.同年8月第1回の会合を神戸市の大阪証券ビルで開催することにし,特別講iとして京都府立医科大学増田教授を招き,早期胃癌についての講演をお願いした.この試みは時機を得たというか,会場は満員,一般演題も5題の応募があり,さらに出席の先生方から数多くのカメラフィルムの提示があり,非常な盛会であった.その際発起人が一応幹事になり,幹事持廻りで年2回,学会の少ない時期に開くことを決定した.第2回からは会場は前回にこりて神戸国際ホテルの広い会議室を使用し,神戸医科大学放射線科木村助教授,湯川胃腸病院中川先生,京都府立医科大学川井講師らの諸先生方に専門分野の新しい知見などについて特別講演を依頼したり,木島先生が岐阜医科大学へ御赴任の後は木島先生の後任として内科部長になられた北浦先生も幹事になって頂き,さらに芦屋市民病院の中病院長を新たに幹事に加え,腹腔鏡検査などの新しい分野にまで範囲が広められ,文字通り消化器のつどいとして昭和42年度まで続けられた.その間,東は尼崎,西は姫路,北は豊岡と遠い所から多忙な時間をさかれ,多数の先生方の出席を賜り,熱心な討議が行なわれ,一応初期の目的が達しられたものとして,幹事の一員として感謝している次第です.
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