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私たちの研究会の歴史は比較的に古い.昭和38年旧臘.有志の2,3人が山比町で開業の傍ら,夙に消化器病研究にユニークな業績をあげておられた高山欣哉先生の門を叩いて胃カメラの実技と胃レ線診断の指導を受け始めたのがきっかけとなり,その後1人2人と同好の士がふえ,40年1月以来“西湘消化器研究会”の名の下に毎週1回例会を持ち,現在に至っています.日本国中に研究会の数多しといえども,私たちの会のように曲りなりにも毎週1回例会を持ち現在に至っている会は少ないのではなかろうかと,いささか自負しています.毎回の出席者は10名ないし15名と比較的小人数ですが,それなりにまとまりも良く,各人が持ちよった症例を中心に各人各様,シヤウカステンを取り囲んで,憶面ない発言も物とせず遠慮会釈のない活発な討論を展開,談論風発とどまる処を知らず,深夜1!時12時に及ぶことも稀ではありません,それは,創設者高山先生の情熱と猛烈な牽引力に預かること大であり,同時に会員1人1人の熱意,すなわち第一線の実地医家こそ,早期胃癌を発見する責務があるとの使命感に基くものに外ありませんが,その中にあって特筆すべきは,小田原市の村上富郎先生の地味な努力でしょう.雨の夜も,風雪の夜も厭わず,毎週欠かさず定時に出席,会場の準備は勿論のこと,常に会の進行と発言の中心になって会を盛り上げ,時に2人3人の集りの時にも休むことなく,会の存在を支えて来た努力は高く評価されるべきです.レギュラーメンバー中,東大分院付属の鵜川先生の指導力も大きく,毎回,病理組織学的所見まではっきりしている貴重な症例を持参されて,全員デスカッションを求め,その後,適確なまとめと説明を下されて,会のレベルアップに貢献して頂いています.最近日野胃腸病院勤務となられたために,出席が少くなりましたが,湯河原診療所在勤中の根本達久先生から学んだ胃レ線写真読影の基本的な態度と知識はこれまた,莫大なものです.その他,昨今とみに読影にきめの細かさと鋭さを加えて来た大磯町の松橋先生,胃内視鏡所見の読みに深みをまして来た秦野市の大林先生等々,多士済済で1人1人が会の支柱的役割を果して来ています.
会歴5年有余を経た現在,会として抱く悩みも少なくはありません.
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