今月の主題 早期胃癌研究の焦点
症例
早期胃細網肉腫の1例
今井 秀夫
1
,
滝田 杏児
1
,
江島 紀代子
1
,
池田 和宏
1
,
瀬戸 泰士
2
,
玉城 栄徳
2
,
石館 卓三
3,4
1秋田市中通病院第一内科
2秋田市中通病院外科
3秋田県立中央病院中検病理
4東北大学医学部病理
pp.43-48
発行日 1968年1月25日
Published Date 1968/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110596
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Ⅰ.はじめに
胃肉腫は比較的まれな疾患であり,山形ら1)によると,全胃腫瘍の1~2%にすぎず,本邦においては最近まで約200例の報告しかないという.就中,固有筋層に達しない早期胃肉腫については,東京大学分院外科2),京府医大増田内科3),および石原ら4)の記載,報告が散見される程度で極めて少ないものと考えられる.
われわれは最近,X線,胃内視鏡,胃細胞診所見から胃癌と診断して手術,その肉眼的所見からⅡc型早期胃癌を疑ったが,組織学的検索の結果,固有筋層に達しない胃細網肉腫と判明した1例を経験したので報告したい.
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