Coffee Break
形態学的診断の向き・不向き
武藤 徹一郎
1
1東京大学第1外科
pp.91
発行日 1985年1月25日
Published Date 1985/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403109670
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食道のEp癌がよく見つかるようになってきた.発赤と褪色がそのポイントだが,見つける医師とみつけられない医師がいるのはどうしたことか.X線から出発した人は丁寧に見るから伸びるが,いきなり内視鏡から入った人は丁寧に見ない傾向があるとの由.
大腸でも平坦な小腺腫を見つけるのは限られた人だ.皆が同様に発見しているわけではない.Crohn病のアフタ,Yersinia大腸炎のアフタ,潰瘍性大腸炎のアフタ,アフタ性大腸炎のアフタなどの所見の違いにあまり気付かない人もいる.私の友人の一人も“○○君がいなくなったら,早期癌がとたんに見つからなくなった”と嘆いていた.異常に気付かない人,見ても異常とは思わない人がいるのだろう.
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