胃と腸ノート
Laurénの胃癌組織分類
小林 世美
1
1愛知県がんセンター第1内科
pp.936
発行日 1973年7月25日
Published Date 1973/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403108576
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物を分類するに,詳しくする方法と,反対にきわめて簡単にするゆき方がある,胃癌の組織分類についてもそうである.種々の分類法が試みられてきたが,私ども臨床家が,実際に臨床像と関連させて理解のできる.しかも簡単な分類があると幸いである.従来の比較的詳しい分類法は,臨床的特徴や予後との相関関係が一定でない.また分類は,作成した人や,一部の人々にのみ使われ,World-wideの普遍性がない場合,データの人種間比較がむずかしくなる.遠く離れた他の国での病理学者による判定にもたいしたVariationをみず,病像との関連においても有用である分類がのぞまれる.
1951年,FinlandのTurku大学のJärviとLaurénは,胃癌がしばしば腸上皮の特徴を有することを認め,少なくとも50%では,腸上皮化生から起こるだろうと主張した.その後文献上で“Intestinal-type gastric carcinoma”という語が使われるようになった.Laurénは1964年の論文で,腸上皮型と鑑別上問題になる他の型の存在をあげ,1965年の論文で“Diffuse gastric carcinoma”と呼んで,ここにLaurénの二大組織型“Intestinal type”と“Diffuse type”が誕生した.彼のシリーズでは,Intestinal typeは53%,Diffuse typeが33%,残りの14%はどちらにも属さないとし,otherとして一括した.
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