胃と腸ノート
上部消化管出血と心筋硬塞
竹本 忠良
1
,
山下 克子
1
1東京女子医科大学消化器内科
pp.648
発行日 1973年5月25日
Published Date 1973/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403108501
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つい最近のことである.胃内視鏡検査を目的として来院した患者が待合室で待機中に心筋硬塞発作をおこし死亡した.もし発作がすこしおくれて,内視鏡検査中におこったのであれば,その主因は内視鏡検査のせいにされてしまったかもしれない,考えてみればわれわれもかなり危ない橋を渡っているものだ.
上部消化器出血時に続発する心筋硬塞は痛みがないのが普通であって,なかなか診断が不確実になりやすい合併症といわれている.出血患者で胸痛もなしに血圧が下降し突然頻脈が現われた場合には,どうしてもそれらの変化を出血自体の結果とみなしがちである(Palmer1)).
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