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海外文献紹介「消化管出血源不明例の専門家による調査」
松岡 聡明
1
1愛知県がんセンター消化器内科
pp.888
発行日 1988年8月25日
Published Date 1988/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403108330
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Specialist investigation of obscure gastrointestinal bleeding; Thompson JN, et al (Gut 28: 47-51, 1987)
消化管出血例のうち,およそ5%は通常の検査では出血源を確定しえず,しばしば広範な検索が行われたり,更には診断不明のまま開腹されることさえある.著者らは,6年間に経験した出血源不明例131例の臨床像,施行された検査,手術および病理所見について再調査した.106例は反復する出血の原因検索のために検査され,25例は急性出血に対する緊急検査例であった.主な症状は,下血55例,貧血35例,直腸出血34例,吐血6例,人工肛門出血1例だった.当院に入院する以前の消化管出血での平均入院回数は2回で,26例は既に消化管出血に対して手術がなされていた.当院では78例に手術がなされた.手術例の手術回数(中央値)は6回であった。出血源であった病変は,大腸angiodys-plasia52例(40%),小腸血管奇形16例(12%),メッケル憩室9例(7%),小腸筋原性腫瘍7例(5.5%),胃血管奇形4例(3%),慢性膵炎3例(2%),大腸憩室症3例(2%),その他16例(12.5%)であった.残る21例(16%)の出血源は依然不明のままであった.
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