Coffee Break
異説潰瘍学(5) 再びShayの天秤
五ノ井 哲朗
pp.630
発行日 1988年6月25日
Published Date 1988/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403108192
- 有料閲覧
- 文献概要
ShayとSunによるいわゆる天秤説は,もともと消化性潰瘍の病因論における仮説として呈示されたものだが,それがいつの間にか治療理論となり,更には何となく再発予防のための理論ともなって,定着してしまったかのようにみえる.
攻撃因子を治癒阻害因子,防御因子を治癒促進因子と読み替えれば,天秤説は容易に治療理論となり,潰瘍症の発生と個々の潰瘍の発生を同一のことと見做せば,天秤説はそのまま再発予防の理論となる.しかし,“いつの間にか”,“何となく”それがそうなってしまうというところに拘りを感じないわけにはゆかない.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.