今月の主題 消化管の健診を考える
主題
他臓器健診の問題点
⑤膀胱癌
吉田 修
1
1京都大学医学部泌尿器科
pp.1360-1361
発行日 1979年10月25日
Published Date 1979/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403107787
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1.わが国と西ドイツの事例
泌尿器科領域の癌に対する集団検診は,わが国においてはほとんど行われていない.もっとも職業性膀胱腫瘍に対する尿中剥離細胞診による検診は別である.1970年にβ-naphthylamineが,1971年にbenzidineが製造中止になったが,これらの芳香族アミン(ヒトの膀胱に対し癌原性を有する)による危険人口は3,310名あるといわれ1),この集団に対する検診は厳重に行われている.
西ドイツにおいては,前立腺癌は男子の癌死亡中,肺癌,消化器癌についで多く第3位を占めている.1971年より西ドイツ政府は45歳以上の男子はすべて前立腺癌の予防検診を受けねばならないような法律を制定し,健康保険で受けられるようにしたという2).
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