入門講座 胃癌診断の考え方・進め方・2
①基本的な心構え―その2
市川 平三郎
1
,
城所 仂
2
,
八尾 恒良
3
,
多賀須 幸男
4
,
中村 恭一
5
1国立がんセンター病院
2順天堂大学消化器外科
3九州大学第2内科
4関東逓信病院消化器内科
5筑波大学基礎医学系病理
pp.262-265
発行日 1979年2月25日
Published Date 1979/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403107629
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
市川 レントゲンですらそういうのがあるんです.遠いところから汽車に乗ってわざわざ来られて,写真を見てくださいといってフィルムを2枚だけ出して,これは何ですかというわけです.「変は変ですね.でももう他に写真ないですか」といったら,「いや,他のはみんなよく撮れていないんでお恥しいですよ,これだけがよく撮れているんです」といって出すんです.「まあ,そういわないで見せてください」といって見ると,もっとよく撮れている写真がある.「何でこれを……」といったら「あ,これがいいんですか」.
読影会のときは10枚,20枚シャーカステンに掲げるでしょう.「読んでください」というと,一番病変を正直に表わしている写真は誰も手をつけないで他の写真だけで議論しているという場面が意外に多いですね.
Copyright © 1979, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.