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編集後記
武内 俊彦
pp.484
発行日 1984年4月25日
Published Date 1984/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403107016
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以前に本誌16巻6号で「胆道系疾患の臨床(Ⅰ)」として総胆管結石症を取り上げたが,今回は肝内結石症が主題として選ばれた.両疾患とも序説で述べられているように,わが国をはじめとして東南アジアに多い疾患である.しかし,胆管形態異常の病因,胆石生成機序など未だ明らかでなく,わが国における実態も必ずしも詳細に把握されていない.全国的に一定の様式で肝内結石症を登録,調査しようという試みも始まった.本号でも分類についての解説をお願いすると共に,診断,肝内胆管の病理,HLAとの関連など早くから研究されている方々に詳述していただいた.今後の研究の方向に示唆を与えてくれるものと思っている,治療に関しても胆汁ドレナージ手術,肝切除,最近進歩した内視鏡による截石術など自験例をもとにしてその適応,問題点が述べられた.呈示された興味ある肝内結石症例は,一度みておくことで今後の診療,研究に役立つにちがいない.いずれにしても是非わが国で本疾患の成因,実態が明確にされることを期待したい.
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