Japanese
English
今月の主題 Panendoscopyの評価(1)
序説
“Panendoscopyの評価―胃の内視鏡検査における位置づけ” 特集に当たって
Editorial
並木 正義
1
M. Namiki
1
1旭川医科大学第3内科
pp.13-14
発行日 1984年1月25日
Published Date 1984/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106921
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- Abstract 文献概要
panendoscopyの本来の目的と意義は,1回の内視鏡検査で,食道から胃,十二指腸を一気に観察し,上部消化管の内視鏡的変化の全体像を的確に把握することにある.したがってpanendoscopeと称して市販されている細径の前方直視鏡を,患者の苦痛が少ないからと言って,胃だけをみるために漫然と用いているなどはpanendoscopyとは言えない.要するに観察しうる上部消化管の“すべてを隈なくみる”といった内視鏡検査の基本的在り方,姿勢,精神が重要な意味を持つものであり,これを踏まえて実行されてこそ真のpanendoscopyと言える.
近年,わが国においても急性胃病変をはじめとする消化管の急性粘膜変化についての関心が高まるにつれて,panendoscopyの必要性がますます認識されるに至った.そして必然的にそのためのpanendoscopeの開発と改良工夫がなされてきた.その結果,上部消化管診断におけるpanendoscopyの普及は目覚ましく,その有用性は今日ほとんどの人が認めている.
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