Japanese
English
今月の主題 大腸癌存在診断の実態―m癌を除く
序説
大腸癌の診断とその問題点
Introduction
西澤 護
1
Mamoru Nishizawa
1
1東京都がん検診センター
キーワード:
表面型sm癌
,
表面型類似進行癌
,
大腸m癌
,
大腸腺腫
,
免疫学的便潜血集検
Keyword:
表面型sm癌
,
表面型類似進行癌
,
大腸m癌
,
大腸腺腫
,
免疫学的便潜血集検
pp.743-744
発行日 1993年7月25日
Published Date 1993/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106207
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- Abstract 文献概要
筆者が日頃考えていたことが,やっと本号で特集として取り上げられ,これからが大腸癌解明の再出発点になるだろうと考えている.今まで,m癌とかsm癌,pm癌,あるいは大腸癌全体についての特集はあっても,今回のように「m癌を除く大腸癌」というテーマの取り上げ方は,食道,胃を含め,初めてだと思う.それほど大腸m癌と腺腫との鑑別が難しいということであろう.
m癌なくしてsm以深の癌があるはずはないが,生検よりポリペクトミーや粘膜切除で得られた標本のほうが,病理組織の全貌がつかめ,より正確な診断がつけられるという理由から,極端なことを言えば,すべてのポリープを摘出すべきだという傾向にある.腺腫から癌になるという従来からの学説と,処置が簡単でリスクが少ないこと,それに保険点数が割合よいことなども,その傾向を助長している.
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