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書評「15カ国語診療対訳表―Medical Check Sheet」
庄司 道子
1
1みさと健和病院皮膚科
pp.592
発行日 1994年5月25日
Published Date 1994/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105807
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本書を編んだ栃木インターナショナルライフライン(TILL:代表 國井 修氏)は3年前,年々増えてくる外国人の患者さんとのコミュニケーションを図るために,40頁余りの冊子「外国人医療11ケ国語対訳表」を作った.“とりあえず”栃木県内に配ろうと刷られた9千部は全国から注文が殺到し,隠れたベストセラーとなった.国の政策が“たてまえ”に終始し,現実的な対応を怠っている中,いかに多くの医療機関が医療費未払いのトラブルを抱えつつ,人道上患者を見殺しにするわけにはいかず,大きなジレンマに陥っているか,そして個々の医療人がいかに言葉の壁に困っているかを物語っている.
少し前,同じような目的で「病院のなかの英会話」(医学書院)を編んでいた私の診療机にもその1冊があった.ちょうどそのころ,私たちの病院にも英語の通じない国からの患者さんが現れはじめていたから,時宜にかなった企画に共鳴を覚え意を強くした.
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