特集 早期大腸癌1994
主題
Ⅱ.精密検査
2.早期大腸癌の深達度診断―内視鏡および実体顕微鏡所見を中心に
鶴田 修
1
,
有馬 信之
2
,
豊永 純
1
,
河野 弘志
1
,
藤崎 一浩
1
,
居石 哲冶
1
,
入江 章
1
,
池田 英雄
1
,
佐々木 英
1
,
谷川 久一
1
,
井手 耕一
3
,
長田 英輔
4
,
笹栗 靖之
5
,
森松 稔
6
1久留米大学医学部第2内科
2戸畑共立病院
3聖マリア病院
4長田病院
5産業医科大学第2病理
6久留米大学医学部第2病理
キーワード:
早期大腸癌
,
大腸sm癌
,
表面型大腸腫瘍
,
実体顕微鏡
,
pit pattern
Keyword:
早期大腸癌
,
大腸sm癌
,
表面型大腸腫瘍
,
実体顕微鏡
,
pit pattern
pp.85-97
発行日 1994年2月26日
Published Date 1994/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105710
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要旨 早期大腸癌395病変(m癌341病変,sm癌54病変)を対象とし内視鏡および実体顕微鏡的に深達度診断の検討を行い以下の結果を得た.①sm浸潤率(sm癌/m癌+sm癌)は表面陥凹型>表面隆起型>隆起型>結節集簇型の順で,結節集簇型を除く各形態は大きさを増すにつれ,ほぼその値は上昇しており,深達度診断は形態別,大きさ別に検討する必要があると思われた.②隆起型における凹凸不整の存在は深達度診断に補助的役割を果たし,③表面隆起型(特に11mm以上)における中心陥凹の存在はsm massive浸潤の診断に有用であり,④表面陥凹型における陥凹面の凹凸不整の存在はsm massive浸潤の有力な指標になると考えられた.また,⑤実体顕微鏡的にはⅤI(不整形,不揃いのpit pattern)の存在はsm massive浸潤が疑われ,更にⅤA(pitの数が減少し無構造または無構造に近いpit pattern)が存在していればsm massive浸潤をほぼ確診できるものと考えられた.
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