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書評「開業医のための消化器クリニック」
荻野 知己
1
1おぎの胃腸科クリニック
pp.762
発行日 2000年5月25日
Published Date 2000/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104727
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最近,内科,外科の経験ある医師が,その専門性を活かすために,内科,外科の標榜を秘してあえて“消化器クリニック”として開業される場合が多くみられる.医学書院から発行されている「開業医のための」シリーズはそれぞれの専門領域について読みやすい形で記述することを目的にしているが,今回発行された本書はこれらの医師の疑問に答えうる実に時宜を得た著書である.
消化器科のおもしろいところは個人でありながら大病院に遜色のない水準で消化器病に対処できることであると著者は述べる.東大卒業後,東大第1内科,国立がんセンター,関東逓信病院で膨大な数の消化器病の患者さんを診断,治療し,多数の内視鏡検査の経験から著作を書かれた著者にとって,現在のクリニック診療生活は,往年の名F-1レーサー,あるいは名ラリーストが,街中を軽自動車で運転するような感じかもしれない.渋滞する街中では交通事故に注意し,目的地へは安全,かつ迅速に到着しなければいけない.
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