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編集後記
中野 浩
pp.252
発行日 2000年2月25日
Published Date 2000/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104659
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炎症性腸疾患における生検診断の意義が少ないことは予想され,本号の主題論文を見ても総論的な内容になっていることはしかたのないことである.そして,生検ポイントの正確な把握と病理医への情報の提供の大切さが強調されている.鑑別診断における生検診断の意味合いについては,既に承知されていることが多いが,炎症性疾患の時期,経過,治療効果の判定についての生検診断の役割についてはまだ触れられてはいない.今後,このような点より生検組織を見る必要もあろう.潰瘍性大腸炎におけるdysplasiaについては,わが国独自の微細な内視鏡観察に基づいた診断基準が考えられるであろう.本号では,今後,生検材料を用いた炎症性腸疾患の免疫学的方面より病因,病態解明のための研究の進歩にも触れることができる.
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