特集 図説 形態用語の使い方・使われ方
第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語
b.X線・内視鏡所見用語
食道裂孔ヘルニア(hiatal hernia)
幕内 博康
1
1東海大学第2外科
pp.360
発行日 1996年2月26日
Published Date 1996/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104032
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食道裂孔ヘルニアは,横隔膜ヘルニアの中で最も頻度の高いもので,そのほかにBockdalek孔ヘルニア,Morgagni孔ヘルニア,Larrey孔ヘルニアがある.外傷性横隔膜ヘルニアを除き生理的に存在する開口部に生ずるものと,形成異常による先天性のものがあり,食道裂孔ヘルニアは前者に属する.
食道裂孔ヘルニアには滑脱型(sliding type),傍食道型(paraesophageal type),混合型(mixed type)に分類するのが一般的である(Zaino C, et al. The lower vestibular complex. Thomas, Springfield,1963).いずれも食道裂孔をヘルニア門とし,腹膜,食道横隔膜靱帯(phreno esophageal membrane),胸膜をヘルニア囊と,胃の一部をヘルニア内容とする内ヘルニアの一種である.
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